ドーナツ・パノラマの作り方


ドーナツ・パノラマとは?

 ドーナツ・パノラマとは、横長の360゜パノラマ写真から作られたサークル状のパノラマ写真の事である。
 通常、360゜のパノラマ写真と言えば、QTVRのな様なデジタル化された方法で見るか、横長で見るか、筒状の立体物として見る事が多い。新たな表現方法として考えたものが、このドーナツ・パノラマである。
→ ナヴォーナ広場のドーナツ・パノラマ
   縦横480*480Pixelに縮小し、中央に文字をいれてみた


原理

 作業はPhotoshopの極座標変換を使っている。極座標変換の性質をある程度イメージ出来た方が、作業がしやすいし、他への色々な応用が利くので簡単に原理を説明する。


左 - 図A   右 - 図B

 図Aを極座標変換(直行座標→極座標)にすると図Bになる。図Aで黄色い部分が360゜のパノラマ写真だったとすると、図Bではドーナツ型のパノラマ写真になる事が判る。ただし、赤い線側が下である。

 単純に長さを情報量と見て、情報量の変化について考えてみる。仮に図の1コマが1cmと考える。
 縦方向に着目すれば、図Bでは縦4コマ(4cm)のところに8コマ分のデータが入っているのであるから、半分の長さに圧縮されているのが判る。
 横方向については、その位置により異なる。例えば赤い線の部分を考えてみる、図Aの赤い線は4cmである。変換された図Bで赤い円は、直径1cmである。よって、赤い円の円周は3.14cmとなる。4cm -> 3.14cmに縮小されている。
 図Bで青い円は、直径2cmである。よって、青い円の円周は6.28cmとなる。4cm -> 6.28cmに拡大されている。
 この間に長さが変化してない位置があるが、それは計算で求めれば簡単であり、(正方形の辺の長さ)/πの位置である。ほぼ、3/10の位置である事だけは覚えておくとよい。図A,Bでは緑の線の位置にあたる。

 この様な、位置により情報量の変化があるので、適当な位置に置かないと縦横比が不自然になったり、拡大によりボケた感じになる。常に、原理を念頭において作業した方が効率的である。


作成過程

 ナヴォーナ広場のドーナツ・パノラマの作成過程を説明する
 元写真はQTVRを作った時の、2404*196の横長のPICTファイルである。
 ここでは、ドーナツの内径6cm、ドーナツの幅2.5cm、解像度300dpiのプリンタで印刷する事を想定する。

1) 上下回転 - 「イメージ/画像回転/180゜」で、上下を回転させる、上端が円の内側になるため

2) 横方向のPixel数を決める - 目標となる印刷物の内径が6cmであるので、内側の円周は、6cm*3.14=18.84cmとなる。「イメージ/画像解像度」で解像度300dpi、プリントサイズの幅18.84cmとする。ピクセル数は、2225pixelとなるので、多少縮小されている。

3) 縦方向に伸ばす - 縦方向は先に述べた様に極座標変換により半分の長さになる。横方向は部分により変わるので、縦横比を一定にする事は出来ない。見た目違和感が無いように、この場合、縦に300%拡大する。「イメージ/画像解像度」で縦横比を固定を外し、縦のみ300%にする。
 絵によって、もっと拡大した方が面白いものなどある。

4) ドーナツの穴を作る - ドーナツの内径は6cm、半径は3cmとなるのが、極座標変換をする過程で縦方向は半分になる事は先に述べた。よって、極座標変換をする前に、上部分に6cmの余白を作る。「イメージ/画像サイズ」で縦を現状の4.8cmに6cmを足し、10.8cmにする。アンカーは下の中央にしておく。

5) 正方形にする - 極座標用に全体を正方形にする。再び「イメージ/画像サイズ」で、縦サイズを横と同じ2225pixelにする。アンカーは上の中央にしておく。これにより、画像全体は正方形になる。

6) 極座標変換をする - 「フィルタ/変形/極座標変換」で直行座標を極座標にしておき、極座標変換を実行する。以上で完了である。


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