ナヴォーナ広場 QTVRの作成過程


→ ナヴォーナ広場 QTVRパノラマ画像
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1) 撮影時の注意と…実際(^^;)

 ナヴォーナ広場にて、富士フィルムのデジタルカメラ、DS-8で横位置で18枚撮影(三脚無し)。

 一般的には、ホワイトバランスや露出は固定、広角レンズで画面の1/3〜1/4ぐらいが重なる用に三脚で撮影するのが理想的。縦位置撮影の方が枚数は増えるが、上下を広くカバー出来る。
 今回、観光名所の真ん中でのパノラマ撮影である。素早く撮影したいために横位置にした。DS-8では、露出固定、ホワイトバランス固定も出来ないので、そのまま。

 曇り(というか今にも雨が降りそうな天気)だったので、ハレ切り(ハレーション対策)は必要無かったの。その点は楽だった。特にデジタルカメラでは、スミアが出てしまう場合があるので注意が必要。
 曇り空は、方向による露出の変化が少ない。

 周りに人が多いので、適当に撮影している。もっと慎重に撮影すればもうちょっと出来が良かったかもしれない(^^;)。

  ** PhotoCD作成時に露出補正をかけないようにラボに指定しないと、折角露出を一定にしてもバラバラな露出になってしまうらしい。PhotoCDを使う人は要注意


2) Photoshopで手動で合成

 以下で説明する方法は、Photoshop 4.0Jによる手作業である。
 今後、ある程度自動的にパノラマ写真を作成出来るソフトも出てくる。

 2-1. 元画像を用意

 SSFDC(Smart Media)経由で、DS-8からJPEG画像を作成。

 Photoshopで10数枚のレイヤーを扱う事になるので、それなりのメモリとHDが必要になるので、注意する事。

 今回、メモリ的には問題が無かったが、最終的にはWWW用で小さめに使うつもりでいたので、縮小して320*240で作業を行った。640*480の方ができ上がりがもっと綺麗だったかもしれないと、後でちょっと後悔したが(^^;)。

 2-2. 作業用画像を新規作成

 新規に作業用のファイルを作る。上下にズレる事もあるので、今回の場合、縦280、横は2600にしておく。

 実際に作成してみると、三脚を使わないで撮影したため上下にかなりずれて197ドットだけが有効になった。20%近くが無駄になっている事になる。三脚により水平に撮影する重要さが判る。

 2-3. 重ねる

 各画像をレイヤーで大まかに重ねていく。最初は上のレイヤーの透明度を50%にしてポイントを決めて重ねていくとやりやすい。

 18枚のレイヤーの操作は煩わしい。移動ツールの時、Controlキーを押すとマウスの下のレイヤーの一覧がポップアップメニューで出るので、これからレイヤーを選べばよい。パノラマを作る時に多用する操作なのでマスターしておく事。
 詳しくは、Photoshop 4.0JのCD-ROMに入っている、各種QuickTime Movieの一つ、「Russel Brown's Tips & Tricks」を参照する事。
 →Photoshop Maniax 「Pop-Up Menuによるレイヤー選択」

 2-4. 色、露出の違い

 隣合うレイヤーで、露出やカラーバランスが極端に違うものを修正する。カラーバランス、トーンカーブなどを駆使して、隣合うレイヤー同志の全体を違和感が無いものにする。
 今回の場合は曇り空という事もあって、それほど極端な違いは無かった。
 一般的には、撮影時に出来る限り露出を一定にしておく事が重要である。

 ある程度違和感が無い様にして、境界などの細かい部分ははレイヤーを合成してから行う。

 2-5. 人など、動くもの

 時間的にずれがある多くの画像を寄せ集めてパノラマ写真を作るのであるから、歩いている人など動く物は画像に中途半端なものしか残らない。 遠い所ではごまかしが利くが、近距離に入ってしまうと処理が難しく、違和感が残るから撮影時に近景に動くものが入らない様に気をつける事。

 上にレイヤーが来て、下のレイヤーの人が中途半端に消えている場合には、消しゴムツールで上のレイヤーを消して下の画像の人物を出すようにする。

 逆に上のレイヤーでありながら体半分しか写っていないような場合は、やはり消しゴムツールで上のレイヤーの人自体を消してしまう方が簡単。

 2-6. レイヤーを合成する

 画像の統合で、レイヤーを一つにする。ただし、レイヤーに分かれたままのファイルは、後のために取っておく方がいい。

 2-7. 境界のズレの違和感をなくす

 角度的なズレが起きている所は、コピーして回転、変形を行いズレを補正する。画像自体に忠実度がいらないなら、よそからコピーしてきて上に貼りつけて違和感をなくしてもよい。
 すでに下になってしまった部分の方がいい場合は、画像の統合前のレイヤーからコピーしてくる。

 2-8. 境界の色の違和感をなくす

 ぼかしツール、あるいはスタンプツールなどで、境界をなじませる。これは一般的な合成の違和感をなくす技術と同じ。

 2-9. 上下を切る

 撮影時に上下にずれると、有効な上下の範囲が狭くなる。範囲を選択して有効な範囲だけにする。
 前述の様に、本撮影では20%程度の無駄な領域を作ってしまった。

 2-10. 左右を合わせる

 今まで作った画像は、左右が連続している訳では無い。左右を連続させて、パノラマ用の画像を作る。
 まず、フィルターのスクロールで垂直0水平200Pixel程度右にスクロールさせる。ラップアラウンドはオンにしておく事。

 これで画像の左右は連続する事になる。後は右端から適当な分をカットして、重なる部分まで移動して貼りつける。新たに貼りつけた部分より左側は不要な部分である。

 2-11. 保存

 全体のコントラスト、明るさなどを整え、さらに「イメージ/画像回転/反時計回転」で回転させておく。
 Make QTVR Panoramaは横が4、縦が96の倍数のPixel数の必要があるため、適当なサイズに調整する。これに適合してないと、Make QTVR Panoramaがアラートを出す。
 以上の画像をPICTで保存する。


3) QTVRに変換

 Apple社のMake QTVR Panoramaで2-11で作った画像を読み込ませ、QuickTime VR化する。この時、QTVRの画像サイズ、ズームや表示の位置の初期値を指定出来る。
 本撮影では、噴水を正面にもってくるように指定した。この時、角度でしか指定出来ないので、数値を決めるのは難しい。その様な場合は、Photoshopのスクロールで左右の切れ目に開始したい場所を持ってくる。この位置は角度0(デフォルト位置)である。

 2-11ではPICTで保存したが、他の画像フォーマットでも読める様である。


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