デジタルカメラ・撮影失敗の救済1 露出不足


 露出不足を補正する場合、常に念頭に置いておかないといけないのは、主題の選択である。ラチチュード(ダイナミックレンジ)が狭いCCDでは、救える部分は狭い。「明るさ・コントラスト」で明るくするのでは、単に画面全体を明るくするだけで、全体に不自然な感じになる。重要なのは、その写真の中の主題をどう救い、表現するかである。その写真内のもっとも重要な部分である主題というのは面積でも位置でも判らない。自動化が難しい作業である。


元画像(QV-100にて撮影)

 元画像は白熱電球化での撮影であり、露出不足で猫の毛の色が綺麗に再現されず、ディティールも汚らしく見える。猫の毛の美しさがこの写真の主題であるとして、猫の毛のディティールや色の綺麗さを損なわない様に修正する


「明るさ・コントラスト」での修正

 上の写真は、「明るさ・コントラスト」で修正を試みた例であるが、明るくはなっても、ディティールは潰れてしまっている。これは全体を均一に明るくしようとしているからである。微妙なトーンの調節は「明るさ・コントラスト」では出来ない。写真のトーンの修正は出来る限り「トーンカーブ」を使う。

 このカーブが試行錯誤で調節したカーブである。猫の顔が壁の白に溶け込まない、猫の毛のディティールが損なわれない、というポイントを守り、試行錯誤で曲線を決めた。写真や印刷の再現曲線を知っていれば受け入れらやすいのであるが、慣れない人は練習によりカーブと画像の変化の関係をよくつかむ必要がある。

 後ろの壁の部分に緑と赤の色ムラが出ているので、スポンジ・ツールで彩度を落として目立たなくする。完成したのが上の写真である。

 トーンカーブは保存する事が出来る。同じトーンカーブで左の写真を修正する。さらに、壁の色ムラをスポンジ・ツールで目立たなくしたのが、右の写真である。


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