デジタルカメラの画質も、今後数年で飛躍的に向上すると思われる。それに伴い、よく行われている少数の主観的な画像評価の寄せ集めではない、科学的根拠に基づいたデジタルカメラ向けの画像評価方法の確立が急がれる。
CCD、レンズ等の性能評価は各デバイス開発において研究されている。ここでは、デジタルカメラを一つの系とした画質評価に絞って考える。また出来る限り機材を必要としない、個人レベルでも計測可能な方法を中心とする。
以上を前提に、銀塩写真における方法論をベースとして、デジタルカメラの画質評価方法の指針をまとめておく。これは結論では無く、あくまでも暫定的な方法論であり、今後の研究のたたき台でもある。
→ 調子再現 (作成中)
→ 精鋭度
→ 粒状度 (作成中)
→ 色再現 (作成中)
写真における画像評価の原則である、「画質を決定する各要因は客観的尺度によって計らねばならないが、その尺度は主観評価の尺度に対しても合理的でなければならない」という事を念頭に置く必要がある。
主観的評価
- 基本的に主観的評価で行う事が望ましい
客観的評価
- 主観的評価は評価のための精神的、肉体的負担、内容の制限、
統一的比較が難しいために、主観的評価と相関する物理指標
を仮定し代用するのが客観的評価である
以下は銀塩写真において培われてきた評価法であって、そのままデジタル写真に最適であるとは断言出来ない。しかし、評価方法の基盤としては用いる事が出来るであろう。
次に画質評価の要素と、その評価方法についてまとめる
調子再現 → 特性曲線、濃度ヒストグラム…
精鋭度 → MTF(変調伝達関数)、解像力、線広がり関数…
粒状度 → RMS粒状度、自己相関関数…
色再現 → 色度座標、色差…
その各論については、リンク先を参照する事。
写真における画質として考えれば、デジタルも銀塩も変わらない。現在デジタルカメラに特有の問題と思われているものも、先にあげた画質評価の要素に取り込まれる事項と思われる。これはデバイス、ソフト等の個別の要因であり、本来的には全体の画質とみるべきものではない。
しかし、過渡期の現在において、デジタルカメラ特有の問題は主観的な画質を著しく劣化されている要素であり、別に評価する場合もある。
以下に問題点と理由の一覧をあげる。
スミア(smear) → CCDの特性
ブルーミング(blooming)→ CCDの特性
モスキート・ノイズ → JPEG圧縮時のノイズ
ブロック・ノイズ → JPEG圧縮時のノイズ
マッハバンド → デジタル化による階調のとび
モアレ → 周期性の強い模様とのデジタル化による干渉
ジャギー、線の切れ → 細い直線要素に与えるデジタル化の影響
輪郭強調 → カメラ内部の画像処理
ホワイトバランス → カメラ内部の画像処理
画像評価用によく使われるISO/JIS-SCID画像においての画像評価ポイントは参考になるので、興味があったら参照して欲しい。